Right to wealth: What needs to change to financially empower women in India

インドは世界最大の民主主義国などと言われますが、女性の権利はまだまだ虐げられています。先月から日本語ニュースでも取り上げられているデリーのGangrape事件(デリー強姦事件、怒り高まる市民がデモ:求められる対策)などもこのような背景と無関係ではないのでしょう。

もともとは、宗主国イギリスのCoverture(女性の身分は結婚前は父親に、結婚後は夫に保護される)の影響で、インド法も女性の権利が弱かったようです。で宗主国の方は時代の流れに合わせて女性の財産権が認められた一方、インドはその時代の変化に乗り遅れてしまったようです。記事で挙げられているのは以下の5点。

1.婚姻後の夫婦共有財産性が認められていない。 →長年連れ添った夫婦であっても離婚すると、女性の家に対する財産権が認められていないため、裁判を経ても非常に少額の扶養料だけで家を追い出されてしまうそうです。
2.離婚時の財産分割が不十分 →(最近はやや傾向が変わっているようですが、)財産分割を進めると社会が混乱するとか、夫の暴力に耐えかねて妻が家を出た場合妻が家族を遺棄したと判示され、扶養料が認められなかったそうです。日本やアメリカでは、原則半分にします。
3.家族における女子の相続権が事実上尊重されない →法律で禁止されているはずのDowry(結婚持参金)の観衆が残っています。法律上は女子も平等に相続分があるはずですが、Dowry分が事実上の相続分と社会的に見なされてしまっていて、かつ、離婚時にDowryを取り戻すには刑法違反を厳格に争う必要があり、ハードルが非常に高いです。
4.女性名義財産が一般的でない →財産分与を計算するにしても書類が全部男性名義で妻がこれにアクセスできないことが問題です。これについては女性名義にすることの経済的インセンティブを与える(女性名義なら銀行口座の利息を多くする、印紙税を免除するなど)の解決策が書かれています。あと、統計上、女性が土地や建物の名義を持っている場合、明らかにDVの被害になる確率が下がるとされています。
5.女性の働く環境が整っていない →一定の職場の女性は午後7時以降朝6時まで働くことが禁止されています。また、通勤途中に会社の運転手に被用者の女性がレイプ・殺害されたケースで、会社の責任が一切認められなかったそうです。なお、現在、審議中の会社法では、取締役が5名いる場合、1人を女性とすることを義務づける方向ですが、このような問題意識と関連するものと言えます。