blogでインドビジネスニュース速報-弁護士が見たインドの今

日本人弁護士が気になった、新聞報道に基づくインドの最新の動きをお届けします。

カテゴリ:政治

New Japan PM good news for India

日本はこの週末、選挙の話題で持ちきりでしたが、インドでは自民党の勝利をこのように見ているようです。

  • 安倍自民党総裁は、親印派である。彼の祖父の岸首相は戦後初めてインドを訪問した首相であり、安倍氏自身、2007年にインドの国会に向けたスピーチをしている(インド国会における安倍総理大臣演説
  • 自民党の勝利で福島第一原発の事故という亡霊を退散させることができる(原発容認派が132→346に増加した。衆院選「脱原発」敗北、容認派が逆転
  • インド政府は、日本からの投資をさらに促進することを期待している。

2000年以降の日本発のインドへのFDIは1286億ドル、152,280人の雇用を日系企業が創出、2010-11年の1年だけで448件の日本のFDIのプロジェクトが行われた、と数字の上では日本からインドへ、という流れは相当のインパクトを持っています。

日本人の多数派の印象として、消去法でやむを得ず自民党という部分はあったかもしれません。国内の問題は山積みで、どれも解決は容易ではないでしょう。ただ、総選挙という憲法で定められた手続きを経て選ばれた以上、選ばれた自民党、安倍総裁には、大いに期待したいです。インドへの国を挙げての進出を日本の成長戦略の一つに位置づけてもらいたいところです。

Cabinet to take a call on National Investment Board proposal today

インドの憲法では、5年後とに5カ年計画を作成する必要がありますが、直近の計画では、意思決定が遅延する最悪のケースのシナリオでは、2012年から2017年の経済成長が平均5%に落ち込むとか。今年の夏以降、経済活性化のため矢継ぎ早に新たな政策が打ち出されていますが、これもその一種かと思います。


記事によれば、内閣秘書局の直轄で首相をトップとする国家投資委員会(
National Investment BoardNIB)を新設することを検討しているそうです。政府の意思決定手続きにおいてプロジェクトごとに一定の期限をあらかじめ定めておき、重要な意思決定を遅滞させないようにしつつ、さらに各プロジェクトが予定通りに執行されているか、モニタリングすることも予定しています。

 

財務省自身、政府のプロジェクト決定にはあまりに多くの意思決定手続きが必要であり、合理的時間内にプロジェクトを開始することが難しいという点に現状の問題があることは把握しているようです。このような仕組みは、日本、インドネシア、マレーシア、タイなどにも存在するとか。

 

興味深いことに、先日耳にしたところでは、外国投資家は、総じて、このような政府の経済を加速させる政策に素直に好意的な動きをする一方、インド人投資家は逆に悲観的で、それが投資行動にも現れているそうです。外から見れば、確かにこのような動きは素朴に歓迎すべきように思うのですが、インド人的には意外に慎重で、実際に数字に現れてくるまでは、簡単には買いには動かないよ、ということでしょうか。

Govt to launch direct cash subsidy transfer from Jan 1

富裕層はものすごく増えてはいるのですが、やはり国全体で見ると、まだまだ貧しい国インド。とはいえ、この民主主義国には10億人以上の人口があるわけで、選挙対策となるとお金がかかるのですが、与党が非常にわかりやすい一手を打つようです。

政府が定めるBelow the poverty line(BPL)の人たちに対しては、現在、補助金により食料、肥料、燃料が交付されていますが、その代わりに、来年1月から、各銀行口座に直接送金します、ということです。年額3-4万ルピー(4.5-6万円)、全体では、4兆ルピー(6兆円)というから、すごい話です。インドには、Aadhar cardという補助金、年金、奨学金を受け取るためのカードがあるのですが、 これを持つ家族に直接送金する仕組みだそうです。とはいえ、Aadharの普及自体、地域により差があるようなので、普及率が高い地域からスタートするようですが、来年中に、インド全体をカバーする意向とか。

どこの国でも、似たような政策が考えられるものだなと思いますが、食料や燃料に困っているレベルということは、BPLの多数は農村暮らしと思われます。これを受けて、機械や車などが急に売れるとも考えにくいので、日本企業のビジネスの直接の起爆剤となるかというとちょっと難しそうな気もします。
ただ、田舎にATMの需要が一気に増えるのだと思いますので、そこはわかりやすいチャンスですよね。それとくっつけて、何かモノやサービスが提供できるビジネスというのがあれば、それはありだと思います。

http://timesofindia.indiatimes.com/bal-thackeray/specialcoverage/17220149.cms

本日はどの新聞もこの記事が大半を占めています。Shiv Senaというヒンドゥー至上主義をとる政党の設立者で、ムンバイの市政を実質的にコントロールしていたBal Thackeray氏が昨日午後3時半、死去したとのことです。Wikipedeaの情報では、Shiv Senaは、特にマラティー語を話す人々を優遇しており、その他の民族については移民を含め、排斥する動きをとっていたとのこと。本日は、何千人もの警官が警護する彼の自宅を拠点に葬儀が行われ、ムンバイの都市機能が丸一日、ストップするようです。

先日も日本領事館より、彼の危篤報道を受けた注意喚起がなされていました。金曜には、彼の息子が容態は持ち直したとの声明を発表し、土曜の午前は町は普通に戻ったようにも見えたのですが、どうやらこの声明も単に町の落ち着きを取り戻すためだけのものだったのかもしれません。

いずれにせよ、Shiv Senaによる暴力的な行動が懸念されるようですので、しばらくは自宅待機ということになりそうです。

http://www.hindustantimes.com/Specials/Coverage/US-Elections-2012/Chunk-HT-UI-USElections2012-OtherStories/Obama-2-0-sends-jitters/SP-Article10-956380.aspx

せっかくなので、インドとの関係でオバマ大統領の再選を考えてみた記事です。オバマ大統領は、大統領選挙活動中、業務を他国にアウトソースするアメリカ企業の税額控除を廃止する、と主張してきました。ここでいう、「他国」とは、まさにインドを意味するのであり、改善しない国内失業率も踏まえて、「なぜバッファロー(NY州)からバンガロール(インド南部の都市)に仕事が移されているのか」と聴衆に訴えていたのでした。果たして、これは選挙専用のレトリックなのか、それとも本心なのか。

インドの中では、これを悲観的に見る人、楽観的に見る人、様々なようです。後者の人は、過去5年間でインドのITセクターがアメリカ国内の28万人の雇用を創出した、150億ドルの税も払っている、と主張しています。インドのIT企業から見れば、アメリカはそのサービスの輸出先として、70%を占めます。

英語で、ITが使えて、ちょうど地球の裏側でアメリカの夜の時間帯に仕事をしてくれる、インドという国。アメリカから見ると、もはや必要不可欠の国なのかもしれません。オバマ大統領も、このことは無視できないでしょう。



 
シン首相が内閣改造をしたということで、どの新聞も一面で扱っています。
 
見出し文を見る限り、内閣の若返りを図ったように見えますが、平均年齢で言えば、新内閣が65歳1ヶ月(改造前が65歳8ヶ月)、とのことでちょっと?という感じです。ただ、個別に新任者を見ると、Corporate Affairsの大臣が35歳、Defence and human resource developmentの大臣が39歳、その他40代前半の人もちらほらと、確かに若い人も含まれているようです。2014年の総選挙に向けた体制作りということなので、今後の政策に期待したいと思います。

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