Max India's plan to sell speciality films business to German firm in trouble

今日は記事をきっかけに思い出したことがあったので、それを書きます。

記事自体は、Max Indiaというインド企業がその映画事業をドイツ企業に売却するに際し、価格も含め法的拘束力のない合意を結んだが、近時同部門の業績が悪化したので、買収者側が価格の大幅な減額の申し入れをしている。ただ、Max India側はそれを受け入れるのは難しいだろう、という記事です。

これ自体は読み飛ばしてしまいそうな話なのですが、以前、インド企業とのM&A交渉で気をつけなければいけないのは、インド側は買収交渉を有利に進めるため、意図的に交渉状況をマスコミにリークし、商業主義的な新聞社側もそれに乗ってしまう傾向がある、という話を聞いたことを思い出しました。確かに、いわれてみると、いわゆるM&A交渉中の情報、と思われる記事が、日本に比べて結構多く新聞に載っているように思われます。大体、その場合、記事の中でも情報ソースは名前を明らかにしません。 

こんなことを意図的にやっているとすれば、相場操縦とか風説の流布とか、日本法では問題になりそうですし、 SEBIの年次報告書でも、インサイダー取引とかよりは、Market Manipulation and Price Riggingというものの方が調査開始件数が多かったと記憶しています。このあたりは、インド人創業家(orその関係者)の遵法意識が低いのか、SEBIの検挙が甘いのか、その両方なのか、よくわかりませんが、いずれにせよ、日本企業がインド企業を買収する際にも、注意が必要な部分だと思います。