Sebi clears Diageo-United Spirits deal with riders

過去記事 Diageoによる買収、SEBIだけでなく公取も注目

以前書いた件ですが、どうやらSEBIは条件付でOKを出しました。以下が簡単な事案の概要です。

買主:Diageo(ロンドンを本拠とする世界最大の酒類メーカー)
売主:USLの現在の大株主で、Kingfisher航空を持つVijay Mallya氏(とその持株会社UBHL)
対象会社:United Spirites Limited(USL。インドの上場企業) 
取引:DiageoがMallya氏の持株取得とUSLからの新株発行をあわせて27.4%を取得、それとは別途公開買い付けを行い一般株主から26%を取得しUSLの過半数取得を目指す。

もともと今年の1月7日に公開買付けが開始される予定でしたが、SEBI(金融庁)とCCI(公正取引委員会)からストップがかかっていました。SEBIとの関係では、当初の売買契約に含まれていた条項(公開買付けで過半数が取れなかったら、4年間、USLの議決権行使をDiageoに委託する)の削除が承認の条件とされたようです。
一方、CCIはまだ承認に必要な情報が提供されていないため、それを待っている、という状況のようです。

Mallya氏のUBグループは、参加のKingfisher航空の不振などが響いて、昨年3月現在で2300億ルピーの負債に苦しんでいます。今回の代金も一部は負債の返済に回し、一部はKingfisher航空の事業再開のための資金に回すようです。 

ちなみに、公開買付けの買付価格は現時点では1株あたり1400ルピーほどですが、市場では、本件の情報が漏れていたためか、昨年11月ころから株価が急騰し現在は1900ルピーほど。Diageoが価格を引き上げると見込んでいるようです。SEBIは公開買付価の引き上げを要求できる権利を持っているのですが、今回の売買契約にはその場合はDiageoが公開買付けを撤回できると定めているため、関心を集めていました。ただ、SEBIはこの条項については契約に残すことをどうやら認めたようです。